2007年11月05日

サービスが奇跡を生む

事ある毎に書いていますが、ライブの持つ意味というのは僕の中でこの数年、ものすごく大きく変わりました。

勿論、自分でもBORDERというバンドでライブをやる立場でもありますが、
頻繁にライブをやっていた頃。。。十数年前ですかね(笑)
ライブに臨む僕が考えていたのは技術論でした。
つまり、技術的に向上していけば、自然とライブの質は上がっていく。
そういう考え方でした。

勿論、最低限の技術は必要になると思います。
人前で何かをやってみせるのですからね、チャージを貰って。
けれど、それならライブは必要なくなってしまう。
特に上手な演奏を聴かせる、という事に主眼を置いてしまったら。
音源があればよくなってしまう。
まぁ、その音源を売る手段としてカタログ的なライブというのは必要かも知れませんが。

そのライブの見方を変えるきっかけになった人がいます。
それが高田エージさんです。「伝える」という事に関して間違いなくこの方は長けていると思います。
「伝える」について誤解をされる事がありますが、
伝える側と伝わる側の思いは一致しなくても問題ありません。
100%一致すれば勿論素晴しいのですが、それは本当にレアなケース。
しかし、見る側の心の中に「お土産」を持って帰って貰おう。
そういう姿勢というのは少なくとも伝わるのです。

伝えようという姿勢は、人それぞれ違うので「これがそうです」という明確な答えはありません。でも、現象として起きるモノがあります。
それが「一体感」と呼ばれるものです。それも自発的な一体感。
「やらされている」と感じない一体感ほど素晴しいモノはありません。

ライブイベントの場合、数組のアーティストが一堂に会すわけですが、
そのひとつひとつのバンドが同じ意識を持っているイベントというのは案外少ないと僕は思っています。
もし、そういう僕の見方が間違っているのだとするならば、それぞれのイベントの中では違うレベルで「意識の共有」が行われているという考え方が存在するのだろうと思います。

さて、その高田エージさんが毎年11月3日に渋谷クラブクアトロでイベントをやっています。
「Thank You Japan」と銘打たれたこのイベントも今年で5回目。
クアトロは500名超の動員が可能なライブハウスで、ここを満員にするのは簡単な事ではありません。

出演したアーティストは毎年そうですが「心意気」というものを内側に持った人達ばかりです。
何とかしよう、何か持ち帰って貰おう、そういうサービス精神。
その手段はさまざまですが、必ずそれがある。

他のイベントにもそれが見られるものはあります。
ただ、ひとつだけ、このイベントでしか見られないものがあると僕は思っているのです。

いまこれをご覧になられている方の中に「他にもあるよ!」と思った人は必ずいると思う。それは幸せな事です。
そして、それがあなたの答えなのです。僕はそれを否定しません。

ライブは音楽だけでは成り立たないのです。
先述の通り、音源のカタログ的な位置づけでやるライブは別として、
ライブは音楽だけでは成立しないのです。
やる人がいて、見る人が居る以上は。

パフォーマー側の人間性であったり、
演奏のコンディションが良かったり、
それに共鳴する観客を動員できたり、
また、そのお日柄が良かったり、時間帯が良かったり。
色んな要素の上に成り立つ結果があります。

まぁそれを一言で「奇跡」と呼んでいるんですけどね。
そこがクアトロというライブハウスである事を忘れる瞬間があるとか、
時間の事を全く忘れてしまう瞬間があるとか。
また、今まで最高潮に達していたと思っていた盛り上がりの波が一段高くなるとか。

またはそれが全部か(笑)

感情の振れ幅には、僕は人それぞれの限界があると思っていますが、
それらを超えてしまって「え?これが自分?」と思う瞬間が訪れるのです。ここまで揃えば奇跡確定です。

そしてこれだけは行った人しか目撃出来ていませんが、今年の「永遠」は更に素晴しかった。出演者それぞれが作詞をしてそれを歌う場面がありますが、その思いが見事に伝わったと思います。

僕は5年のうち4年このイベントを体感しましたが、この奇跡の域に4年とも達したというのは凄いと思います。
というのは、この4年の間に僕自身も色んなライブを見たり聴いたりしている訳で、先述の「奇跡の条件」の最後、つまり感情の触れ幅に関しては相当大きい方だと思っているからです。
それを毎年、更に上回る空気を作り出すこのイベントは単純に凄い。

5回も、このクアトロを借り切ってライブイベントをやるというのは、それとは別に大変な労力が必要な事で、
今回は、やはりひとつの節目としてお考えになられていたようです。

けれど、あの奇跡を目の当たりにしたら。。。再考しちゃいますよね。
来年、頑張ってみると言われたその言葉を信じて、来年もこのもの凄いイベントが行われるのを待っていようと思います。
posted by ユタカ at 13:01 | 東京 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | NOTE
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